奉仕活動
社会奉仕委員会夜間中学シンポジウム「夜間中学の今,そして未来」
11月4日(月・振休)午後1:15より,さん太ホールで社会奉仕・職業奉仕の合同事業として,「夜間中学シンポジウム 夜間中学の今,そして未来」が行われ,158名(会員48名含む)の方が来場されました。
第1部では,福知山 RC より長安寺正木義昭住職にお越しいただき,「衆生無辺誓願度」の演題でご講演いただきました。
第2部では,まず岡山大学大学院教育学研究科教授 梶井一暁先生から夜間中学の歴史と現状について,岡山市教育委員会就学課担当課長 政久秀生様から岡山市に令和7年4月に開設される公立夜間中学について,岡山自主夜間中学校理事長城之内庸仁様から岡山自主夜間中学校について,それぞれご報告をいただきました。続いて,政久様,城之内理事長,岡山トヨタ自動車販売株式会社代表取締役社長 梶谷俊介様,株式会社フジワラテクノアート代表取締役社長 藤原恵子様,横山光彦職業奉仕委員長をパネリストとして,梶井先生,中井拓司 社会奉仕委員長をコーディネーターとして,夜間中学の今後のあり方や公立と自主相互の関係性,学ぶことの尊さ,地域との関わりなどについて,ディスカッションをしました。
当日お手伝いいただいた皆様方,会場にお越しいただいた皆様方,本シンポジウムに関わってくださったすべての皆様に心より御礼申し上げます。
会長挨拶
岡山東ロータリークラブ会長の大西でございます。本日はすがすがしい秋晴れの中,「夜間中学シンポジウム」にお越しいただき誠にありがとうございます。
まず,ロータリークラブは世界的には小児麻痺の原因であるポリオ根絶に力を注いでいるなど,職業を通じて社会に奉仕している団体であります。我々の取組は職業奉仕,社会奉仕,国際奉仕,青少年奉仕と取組む内容によって4つに大別されます。私が夜間中学のことを知ったのは,今から3年ほど前のことで,TV のドキュメンタリーで「岡山自主夜間中学」が放映され視聴したときです。最も驚いたのは「中学未終了者が90万人も存在する」ことでした。私は「何かしなければいけない」という強い思いにかられ,偶然ですがロータリークラブ会長就任も予定されたことから,どうしてもこの問題を取り上げ支援したいと考え本日に至っています。
「自主夜間中学」を視察に行くと幅広い年齢層の生徒をボランティアの現役教師,元教師,元塾講師,大学教育学部の学生,定年後の一般の方たちが熱心にマンツーマンで指導している姿があり胸を打たれたこと,また財源が少ない中,関係者全員がベルマークを持ち寄って少しでも運営資金を生み出している姿,そして,運営資金を捻出するため生徒全員で表町の商店街の清掃を請負って働いている姿に感動しました。
その後のリサーチで,あまりにも「自主夜間中学」が知られていないこと,そして岡山市立岡山後楽館中学校に令和7年(2025年)4月開設に向けて準備が進んでいることが,このシンポジウム開催の強い動機付けになりました。
私はこのたびのシンポジウムは教育的視点にとらわれるのではなく奉仕団体であるロータリークラブが主催することによって,多面的な視野でとらえることができるものと考えており,「夜間中学での学び」は「学び後の人生を豊かに」し,「学び後の社会参加の希望」になることを訴求することだと思っています。また「社会に出てからは中学で学んだことが最も重要」であり,「中学で基礎を学べば社会に通用する」という強いメッセージが発信できればと思っております。
我々ロータリークラブは多様性,公平性,包摂性を重要な考え方としています。その考え方は夜間中学の取り組みと同じであり,さまざまな生徒に対して多様な学びの場を提供していること,本来義務教育であるにも関わらず担保されなかった公平性に対して夜間中学が担保していること,そして「誰一人置き去りにしない教育の実現」という夜間中学の強い理念,それは包摂性という考え方にほかなりません。
最後にこのシンポジウム開催にご協力いただきました「岡山市教育委員会」「(一社)基礎教育保障研究所」「岡山自主夜間中学校」はじめ「岡山大学大学院教育学研究科」の皆様そして各ロータリークラブ並びに関係者の皆様ありがとうございました。
開会のご挨拶とさせいただきます。